第一大臼歯(6歳臼歯)は最初に萌出する臼歯のため10代においてムシバによる歯内治療まで進むと、適切な管理がされないと20代~30代の早期に喪失するケースが認められる。 以下は下顎第一大臼歯喪失後、後方の第二大臼歯と智歯が前方に傾斜移動して、対合する上顎大臼歯との咬合接触関係も失われた状態であることから、智歯を抜歯した後第一大臼歯を小範囲矯正で(本来の第二大臼歯部位である)後方に起こし(アップライト)上顎第二大臼歯とのかみ合わせを回復、再び歯の移動がないように欠損部にインプラントを利用した修復治療をおこなったものである。 大臼歯の近心(前方)移動を矯正的に行う場合もあるが、下顎骨は骨質が硬く副根の大臼歯2本を移動させるのは至難であり成人以降では数年を要するため、智歯も利用した矯正は回避された。