既存の修復物が脱離する際は歯冠部の歯質も築造体も破損し、歯根内部にも齲蝕が進行して保存可能な歯牙も新たな築造体の維持には歯根深部までの精密なポストが要求される(ファイバーポストの適応には十分な健全歯質が必要!)。 そのため根管治療も再治療がおこなわれないような精度が必要である。 仮歯(provisional restoration)も根管治療や歯周治療等の前処置段階から歯根内に維持を求める構造とするが、順次築造体が設置されればそれに応じた改変をおこない、最終段階では口元の審美性を約束できるよう、歯冠形態や上下の歯の被蓋関係(オーバーラップ)口唇からの前歯切端部の出具合も試すものとなる。 以下のケースは最終修復物の仮着中に周辺歯より明度を高くする要求があり、表面部のステインを落とし明るくグレーズ(千度近くで七宝焼きのように表面にセラミックパウダーを溶着)する技工操作が加わった。 患者はインプラントを希望した歯科医師であるが2009より2024年現在維持されている。