OUR SITE(本サイトについて)

 

 サイトアドレスは https://www.meiboukoushi.jp/です。 現代歯科治療におけます、Art of Scienceともいわれる修復治療分野のなかで、おもに個性的で美しい口元の再建創造に関する、診断・治療法・製作過程・経過評価の概要を解説してまいります。
 

 本サイトは以前より保有していたドメイン(meiboukoushi.jp)にちなんでサイト名 明眸皓歯がつけられました。 唐の詩人杜甫は玄宗皇帝の寵愛を受けながらも非業の死を遂げた楊貴妃をしのび ”哀江頭” という七言律詩で ”明眸皓齒今何在” と詠み、その美しく澄んだ目もとと白く美しい歯並びを讃えましたが、古来より明眸皓歯とは女性のうつくしさを象徴する言葉となりました。  傾国といわれた美人の口元は想像に及びませんが、自然で慎ましい口元の美しさは歯科治療の目指すゴールの一つといって差し支えなく、歯列矯正も歯冠修復治療も自然であることに美しさの基準を設けています。

Wikipediaより


 生まれ持った美しい歯並びの持ち主は貴重ですが、健康的な笑顔のこぼれるような白い歯も加齢によって変化します。 お湯と氷、酸とアルカリ、色素の摂取、なにより体重を超える噛みしめの力、歯を内部から代謝する歯髄の後退、etc 。。  歯をとりまく環境は過酷です。  歯ブラシを頑張っていたつもりでも、悪くなかった歯並びが少しづつ崩れ、ムシバがなかった歯の隙間に穴が穿き、歯肉は下がり、歯の色は黄ばみます。 自慢の皓歯であっても維持することは大変です。  
 Lookismが喧伝され美容男子さえ増殖する昨今ですが、お肌にこだわるアンチエイジングの信奉者も美容液ではどうにもならないのが、長年酷使された歯の造作です。
 平成にはいる頃から予防意識が高まり介入的歯科治療が減ったことは、多数歯の悲惨な状態での広範囲のやり換え治療が減少した一番の要因ですが、歯は抜くなのスローガンが曲解され無理に残された歯も増えています。 骨粗しょう症の薬剤投与から抜歯を回避したりもあり、保存不能でも残存する歯が以前より増え高齢期の治療や介護現場にしわ寄せが来ているのも推察されます。 80歳で20本の歯を残すという8020運動の目標も健康な歯がどれだけ残っているかが重要です。 適切な時期に適切な手当てがあれば80歳の高齢者でも口元の美しさや機能を維持することは可能ですが、時期を逸すると治療は困難となります。


 本サイトでは、いわゆる審美歯科の範疇とされる歯列矯正や歯面ホワイトニングの扱いは限定的となりますが局所的な応用のみ紹介しております。  選択材料、製作法、保険治療/自費治療の細部にわたる追及や比較は他サイトのほうがより詳しいかもしれません。 審美と云えばメタルフリーやオールセラミックといった言葉が独り歩きしていますが、コンピューター支援のCAD/CAM技術の進展で以前は利用できなかったジルコニアのような素材が臨床に応用され始めて久しくなりますが、当初は白磁のような白いだけの素材も改良が加えられ、前歯のフレームにも盛んに応用されるまでになりましたが、まだ定着して20年は経っていません。 同様に現在汎用される修復法には材料学的に20年30年を超える評価により確立されたものが少ないのも事実です。 接着材料は果たして口腔内の環境で物性の低下なく何年維持できるのか判然としません。 一方従来から確立された手作業の神髄のような修復方法による長期ケースがあたりまえのように現存するのをみると、ロケットのように枯れた技術の安定性も無視できないものです。 症例検索ページでは様々な治療法の紹介が条件絞り込みで供覧できるようにしておりますが、X線や画像にタイムスタンプがあるものは経過年数も記載していますので、治療の選択肢の比較検討が可能であるかもしれません。

 なお、サイト内ではマーブル調の真っ白な歯は不自然という判断をしており、周囲の歯に溶け込むような自然な修復をGoodと捉えていますので、ゴージャスな白い歯を希望される方には当サイトは不向きかもしれません。


サイト管理者から

 管理者である東京の開業歯科医師です。  このサイトでは歯科特有の ”ものづくり” の代表である機能と美しさも再建できる修復治療をとりあげ、イラストや画像を通して目で見てわかるシンプルな情報を提供して参りたいと存じます。 本業のかたわらデザイン系のソフトに親しんできましたので、専門分野についての図柄は洗練されていなくともフォーカスポイントを押さえた分りやすい表現・表記に留意しております。
 
 関連する経験職歴については歯科関係者にしか訴求しませんが以下のようなものとなります。 
たまたま新卒の20代時に院長が研修会を主催するような環境にあり、全歯を対象とするような精密な歯科修復治療を研鑽することができました。 当時は米国のCr&Br(歯冠修復治療)の教科書の執筆も手掛けた院長の全盛期で、たとえば歯周治療&矯正後の裏側固定として6前歯のピンレッジによる連結というような、現在では考えられない匠の技のような補綴(ほてつ)修復治療を数多く目にしました。  また実体顕微鏡も駆使して再建修復治療を強力にバックアップしてくれる3人の歯科技工士さんからは、精度追求のための諸々のキモやカバーリング方法も伝授していただけました。  そのような環境下で他所での知人の治療ではアドバイスを受けながらも陶材焼き付け冠(メタルボンドクラウン)の6前歯と4前歯を製作し、(ワックスアップ→鋳造→メタル調整→陶材築盛→焼成→形態修正→ろう付け ほか)セットまでを行なえたり、他にも(印象;型取り後の副模型をつかい製作期間に歯の移動を防止する)アクリル製のフルマウス(20数歯分)の仮の歯はかなりの数を製作しておりました。 独立後は義歯の排列重合仕上げも初期には自分で行い、広範囲のインプラント修復の仮歯も自ら作る習慣となっています。  また開業後も知人に誘われ2カ所の医院において助っ人の身分でした。

 補綴修復治療は歯科技工士さんにバトンタッチされ、どういう製作工程が入りまた組み立てられるかをピアニストが鍵盤を知悉するように理解していると、様々な行き違いがなくスムーズな進行が可能です。 キャッチボールも遠投力より受けやすい球を投げないと続きません。

 歯科はものづくりの感覚が基本にあります。 これまでの経験も踏まえ当サイトが修復治療に偏った情報を提供しようという趣旨は、若い歯科医師と一般の方々に価値ある歯科修復治療の周知と理解を深めるためが第一ですが、それを支える歯科技工士さん(Dntal Technician)の仕事へのリスペクト(敬意)を表現できる媒体になれればという思いもあるからです。
 歯科界には自分で考え簡潔な解法を求めるという人材がすくない気がします。 セミナーだスタディーグループだと勉強熱心な方々も多いのですが、歯科雑誌をみても何か難しくこねくり回した(?)結果、シンプルな解法から遠ざかっているケースプレゼンも散見します。 努力が治療時間や費用に関わる事ならば意味のある努力が求められましょう。 最高の審美性より良質な審美性の追及がサイト趣旨にかなっていますので、歯科医の誰でもが可能な手技や発想法をこれから記事にして行きたいと考えます。 SEO対策には無縁のサイト設計ですが、本サイトにある修復治療の症例検索では、様々な条件に対する様々な治療法を表示できますので、スナップ写真の切り貼りですが、若い先生方にはなにかヒントになるような解決方法を見つけて戴けたら幸いです。 

 *この数年これまでフォルダーに整理せずに保存した画像データをまとめる作業を進めており、症例の治療内容等が条件検索からPCにその場で提示できる機能を導入し患者さんの説明用に使用していましたが、これをサイト内では自由に絞り込み検索し例示できるアプリとして設置しております。 経過年数の表示もありますので、特定の方法に縛られない治療法の選択肢を提供できましたら幸いと存じます。